『旅猫リポート』

「これを読んだら、猫が飼いたくなったよ!」

と、友達にオススメされ、『旅猫リポート』という本を読んでみました。
サトルという男性が、大切にしていた愛猫・ナナを、止む終えない事情で手放さなければいけなくなり、新しい飼い主探しの旅に出る物語です。

勧めてくれた友達は動物を飼ったことがなく、その子が本を読んで『飼いたくなった』と聞いていたので、はじめは「もしかしたら、猫のいい面しか書いていないのかも…?」と思っていました。
が、読んでみると、猫らしさ全開の内容で!
ナナは、良くも悪くも “ザ・ねこ” !!(笑)
フィクションなのですが、本当に共感できる話ばかりでした。

物語は、ナナの目線で始まります。
ちょっと生意気に聞こえるナナの口調ですが、「猫ってそういうこと考えてそう!」と思えることばかり!

“(爪は)壁や柱は困るようだったので、家具や絨毯で研ぐようにした。
家具や絨毯だと男はどうしても駄目だとは言わなかったのだ。
最初のころはちょっと悲しそうな顔をしていたけれど、僕は空気を読む猫なので絶対に駄目なこととそうでないことは嗅ぎ分けられる。
家具と絨毯は「絶対」に駄目ではない。”

という文章があり、これにすごく共感してしまいました。
トラは本当に困らないもの(お風呂のマットや、使わなくなった敷物)でしか爪とぎしなかったけなぁ。
クロは、赤ちゃんの頃はどこでも爪とぎしてたけど、今は本当にナナと一緒!
「して欲しくないけど、絶対にダメというほどではない」場所で爪とぎをしています。
例えば、ハンガーに掛けてある発表会用のドレスでは爪とぎをしないけど、一緒に掛けてあるヨガウェアではしょっちゅう研いでいて…
(もちろん本当はヨガウェアでもやってほしくありません…笑)
猫たちの、自己中心的ながらも空気を読む性質って、すごいものがありますね。

猫らしさ全開のナナに夢中になって楽しく読み進めていましたが、読んでいくと、涙なしには読み進められませんでした…。
裏表紙のあらすじを読んで、はじめからわかってはいたんですけどね。
新しい飼い主を探すための旅だということは…。

キュッと胸を締め付けられるようなシーンが多々ありながらも、猫と生活している喜びや、猫との絆を再確認できるストーリーでとても面白かったです。
クロと過ごす時間を、もっともっと大切にしたいと思いました。